本文へスキップ
Japanese Dream
← インサイト一覧

2026-10-10

Fukuoka has two winter pots, and neither one is Japanese in origin

福岡の冬の鍋は2つ。どちらも日本生まれではありません

福岡は鍋の季節です。そしてこの街には知られた鍋が2つあります。日本の外で名前を聞いたことがあるのは、たいてい片方だけです。

有名なほうがもつ鍋です。もう1つが水炊きで、その成り立ちは思っているより変わっています。

水炊きを考えたのは林田平三郎という人です。長崎に生まれ、15歳で単身香港へ渡り、そこで西洋料理と中華料理の調理法を学びました。西洋料理のコンソメの考え方と、中華の鶏を炊き込む方法を取って、どちらでもないものを作ります。1905年に福岡で店を開き、その店は今も平尾で続いています。

寒い夜にいちばん博多らしいものを食べようとすると、それは料理を覚えに日本を出た15歳が作ったものだった、ということです。

もつ鍋のほうは、はっきりしていません。そこは正直に書きます。よく言われるのは、第二次世界大戦後の食糧難の時代に、福岡で安いもつとニラをアルミの鍋で炊き、醤油味で食べたのが始まり、という話です。朝鮮料理に由来するという説もあります。炭鉱で働く人たちがもつを煮て食べていたという説もあります。どの資料も「といわれる」で書いているので、確定した事実ではなく、この街が語り継いでいる話として受け取ってください。

記録に残っているのは、そのあとのことです。1990年代前半に福岡のもつ鍋の店が大阪と東京に出て、1992年には「もつ鍋」が新語・流行語大賞の新語部門で銅賞を取りました。

鍋が2つ。片方は料理を覚えに外へ出た15歳が作ったもので、もう片方は誰にも出どころが押さえられていません。どちらも、この街が寒くなると食べるものです。

コメント

まだコメントはありません。

ログインすると、いいね・コメント・リポストができます。

© 2026 Yoshi Takada · Fukuoka, Japan