本文へスキップ
Japanese Dream
← インサイト一覧

2026-09-08

“Fukuoka is top tier”: a Madrid makeup artist, now teaching in Fukuoka

「福岡は最高です」マドリードでメイクをしていた人が、福岡で英語を教えるまで

アリシアさんはスペインのマドリードの出身だ。今は福岡で英語を教えている。

福岡を選んだわけではなかった。会社の辞令で来た。

それでも、結果的に合っていた。大きな街なのに、小さな町の雰囲気がある。本人はそう言う。日本で好きなものは全部ここにあるし、どこへ行くのも移動が楽だ。

スペインではメイクアップアーティストだった。仕事にはCHANELも入っている。そこから日本で英語を教えるまで、どうつながるのか。

一つは、スペインでも教えた経験があったこと。年齢層は違ったが、教えること自体は初めてではなかった。もう一つは計算だ。日本語はまだ十分ではない。日本で働く入口として、英語を教えるのが現実的だった。

メイクの現場から教室へ。それだけでも大きな変化だ。そこに国をまたぐ引っ越しが乗る。今の仕事はどう感じているかと聞くと、短い答えが返ってきた。

「気持ちが楽になりました。いい意味で」

そして、この人にしか答えられない話を聞いた。美しさの基準は、ここでは何が違うのか。

まずパッケージだという。日本の方がかわいくて、空想が入っている。そこが好きだそうだ。

目指すところは、どちらの国でも同じだと言う。メイクをしていると分かるメイクは、誰も望んでいない。スペインのお客さんも日本のお客さんも、たいてい「ナチュラルに」と言う。違うのは、そこへ行くまでの道だ。

スペインでは、日に焼けた肌が求められる。日本では、白いことが基準になる。

本人の言い方は、もっと具体的だった。

「スペインではサングラスをかけている人をよく見ますが、日傘をさしている人はほとんどいません。ここはその逆です」

色もそれに従う。こちらはコーラルやピンク。あちらはブロンズやブラウン。

良いとされる顔立ちも違う。スペインでは骨格がはっきりして、目鼻立ちの立った、色っぽい方向が好まれる。日本で彼女が感じたのは、若さとかわいらしさの方に寄っていくということだった。

二つの違う美の基準。そしてどちらも、声を張らずに、静かに目指されている。

彼女は英語を教えているが、英語は母語ではない。生徒はそれを気にしないのか。

まったく反応はない、と言う。むしろ良い方に働いていると思っている。自分も英語を学んできたので、どこがしんどいのかが分かる。しかも、日本語から英語へ登るのは、スペイン語から英語へ登るより険しい。自分が登ったぶん、もっと険しい坂を登っている人に辛抱強くなれる。

ここで暮らしていて一番難しいのは、言葉の壁ではないという。難しいのは、ときどき、人の方だ。

スペインの人は、だいたいにおいて率直だ。受け取る人によっては、それが刺さる。ここはその反対で、空気を読むことが求められ、誰もはっきりとは言わない。分かりにくい。ただし、当たりは柔らかい。

見た目で外国人と分かることには、両方の面がある。言葉がないぶん生活は大変だし、家から遠いぶんしんどい。それでも、自分が日本語で頑張っているのが伝わった瞬間に、相手の態度が完全に変わるのを何度も見てきた。良い方向にだ。

恋しいのは、大切な人たちだという。それから食べ物。スペインのコロッケ、クロケタス。じゃがいものオムレツ、トルティージャ・デ・パタタス。福岡にもスペイン料理の店はあるが、同じではない。

日本の方が良いところは、まず安全だ。スペインが危険な国だという意味ではない、と本人は丁寧に断る。それでも、日本と並べると比べものにならない。

次に便利さ。ここでは、たいていのものが、使う人のために整えられている。

そしてもう一つ、これが一番ありがたいという話があった。福岡では、一人で暮らしていける。スペインではできなかった。

最後に、これから福岡を考えているスペインの人へ一言もらった。

日本の文化が好きな人ほど、東京や大阪でない街には、探しているものが揃っていないと思い込みがちだ。そこが彼女の驚きだった。ポップカルチャーも、ファッションも、いろいろなスタイルも、全部ここにある。海もあるし、自然もある。人はもっとのんびりしていて、抱えているストレスが少ない。

「福岡は最高です」

コメント

まだコメントはありません。

ログインすると、いいね・コメント・リポストができます。

© 2026 Yoshi Takada · Fukuoka, Japan