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Japanese Dream
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2026-09-10

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"Fake it till you make it": a Mumbai graduate's first year inside a Japanese company

「分かったふりをしているうちに、分かるようになる」ムンバイ出身の新卒が日本の会社で過ごした1年目

アディティさんはインドのムンバイの出身だ。本人いわく「夢の街」。今は福岡に住み、建設機械をつくる日本の会社で海外営業をしている。

日本に来たのは大学に進むためだった。別府の立命館アジア太平洋大学(APU)。選んだ理由は2つあった。

1つ目は、まわりに誰もいなかったこと。高校の同級生で、留学先に日本を選ぶ人は1人もいなかった。定番ではない文化に飛び込める。それだけで胸が躍った。

2つ目はビジネスだ。学びたいのはビジネスだと決めていて、APUで学べば日本のビジネス文化に触れられる。世界に並ぶものがない、と彼女は言う。

大学のキャンパスは山の上にある。来る前から知ってはいた。それでも本当に腑に落ちるまでには、4〜5か月、山の上で暮らす必要があった。

上からは別府が一番よく見える。街全体が足元に広がる。そのかわり、標高なりの天気も付いてくる。

今は海抜ゼロの街に住んでいる。福岡に来たのは、大学の最後の学期に決まった仕事のためだ。山は恋しいですか。

「山、恋しいですね。しかたないです。私はもう別府の人間なので」

驚いたのはそこからだった。卒業して、会社に入る。机に座るものだと思うだろう。

ところが送られたのは工場だった。会社がつくっているのは建設機械で、最初の数か月は製品がつくられる現場で、そのつくり方を覚えて過ごした。

これまでで一番ぞくぞくした経験の1つだという。機械の組み立て方を覚えた。そのうえ、日本でショベルカーを運転できる正式な免許まで取って出てきた。

そこで出会った人たちは、工場での生き方を教えてくれた。それ以上のこともたくさん教えてくれた、と彼女はすぐに付け加える。

今はデスクの仕事に移った。研修のあいだに工場で事業の核を学んだから、その機械を自信を持って売れる。

仕事を始めたとき、日本語はどのくらいできたのか。入門レベルはしっかり身についていて、言われることの大半は分かった。

緊張したのは話すほうだった。言葉に詰まったり、文法を間違えたりした。

今も難しいのは、メールを送ることだ。

どこからがかしこまりすぎで、どこまでが足りないのか。その線が、まだ自分では見えない。そして日本人の同僚は、それを教えてくれない。

「面と向かって指摘されることは、絶対にないんです」

だから自分で確かめることになる。そうすると妙な場面ができあがる。自分の書いた文が人間らしく読めるかどうかを、AIに聞いているのだ。

実際に効くのは、時間はかかるが、人のメールを読むことだという。同じ言葉が何度も出てくる。数を読むうちに、自分のメールが正しく聞こえるかどうかが分かってくる。

外国人であることは、営業の助けになるのか、邪魔になるのか。仕事は海外営業なので、相手はほとんどが海外の顧客だ。ただ、その答えになる1週間がある。

研修中、国内営業のチームと1週間、会社の販売店を回った。相手は年配の日本人男性。いかにも、という人たちだ。彼女は新入社員として名乗った。

外国人であることが、場を和ませた。それも温かく。どこから来たのか、日本語をどうやって覚えたのか、インドはどんな国なのか。みんなが知りたがった。

「会話の潤滑油になるんです」

恋しいのは、お祭りだという。インドにはお祭りがたくさんあって、どんな仕事をしていても、どれだけ忙しくても、みんなが集まる日になる。

お祭りは年の後半に重なる。9月から始まるので、ちょうど今が、ホームシックになる季節だ。

彼女はヒンドゥー教徒だ。インドにはイスラム教徒もキリスト教徒もいて、それぞれに祭りがあり、そのうえ文化の祭りもある。踊り。食べ物。音楽。夜中の2時になっても、通りはまだにぎやかだ。

インドの人たちは、祭りのたびにどれだけ休みを取るかで、自分たちを笑い話にするそうだ。いつか見てみたいと言うと、すぐに返ってきた。「絶対に来てください」

日本のほうが良いところは、迷わず答えた。人が互いにどれだけ気を配っているか。電車のドアの前で列をつくる。声を落とす。まわりの人を不快にさせない。

「どうしてみんな、日本人みたいになれないんだろうって思います」

最後に、日本に残るかどうか迷っているAPUの学生へ。

まず、自分の直感に従うこと。最近、日本は自分に合わないと感じている学生と話すことが多いという。住みたくない国に無理にとどまる必要はない、というのが彼女の考えだ。

ただ、止めているのが言葉だけなら、日本に賭けてみてほしい。基本的な日本語でも、自信を持って使えば扉が開く。その扉が次の扉を開く。日本の中でも、外でも。

「新しい言葉を学んでいるときは、分かったふりをしているうちに、分かるようになるんです」

本人のJLPTはN3。大学時代に取った。N2を受けるかどうかは決めていない。会社から求められてはいないし、どちらにしても仕事では敬語を使うので、ビジネスの日本語はやるしかない。

理由はもっとはっきりしている。仕事に要るのは話す力で、JLPTは話す力を測らない。漢字が読めるかどうかより、その場で理解できるかどうかのほうが大事なのだ。

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© 2026 Yoshi Takada · Fukuoka, Japan